変革を学ぶ

全体を追求するには全体が参加しなくてはならない。
それ以外に自分が何者かを知る方法はない。
しかし、人が共同で自分たちの集団的アイデンティティについてよく知ろうとすると、逆に個人に驚くような影響を及ぼす個人的なパターンや行動が全体にどう貢献しているかが理解できるようになる。
そして個人が自分を変えることに責任を持つようになる。

個人の変化の動機は上司の要求や個人的な自己改善のニーズに対する反応ではない。
集団的プロセスを経ると、もっと大きな文脈が現れるが、人に変化の動機を与えるのはこうした文脈である。個性や部署の意識ではなく、仕事への意識が深まり、各自が仕事をもっとうまくいくことを望むようになる。

第一の変化が部分と全体についての考え方を変えることだとすると、第二の変化は、一つの生命体である組織のダイナミクスに着目することだ。
組織を一種の生命体ととらえれば、組織図とは似ても似つかない。
生命やはネットワークを利用する。
人は知らずに、関係のネットワークによって組織図をまとめあげる。
身軽に変化できるようになるには、頭で考えた仮想の組織を忘れ、現実の組織にあわせて働くようにする。

すべては関係次第で形が決まる。
情報との関係、人との関係、出来事との関係、考え方との関係。
私達は絶えず何かとの関係の一員になるように呼び出される。
現実でさえも私達が関係に参加することによって作られる。
私達は何に着目するかを選択している。
そうやってあるものとは関係を結び、あるものは無視する。
この選択した関係によって、私達は共同で世界を創造するのだ。

生きているネットワークを変える最も深遠な戦略は生物学が教えてくれる。
システムに問題が発生すると、システムはそのネットワークを強化して健康を回復する。
組織のシステムを強化するにも、関係の強化が必要だ。
この原則から、私はシステムを信頼することを学んだ。システムは自分の問題を解決する能力を
持っている。システムが必要としている解決策はシステムの中にすでにある。
システムに問題があるということは、ネットワークが不完全な表れだ。

情報不足
システムのアイデンティティのあいまいさ
関係の悪化
すぐれた洞察力を持つ人の無視など
の状態が想定される。

(出典:マーガレット・J・ウィートリー「リーダーシップとサイエンス」)

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