JHQC: 組織プロフィールと経営デザイン

 JHQCは新しく、日本経営品質賞との連携を強化した。JHQCの単独の認証制度を廃止し、日本経営品質賞と統合した。その中で、組織プロフィール認証は、経営デザイン認証に統合された。経営デザイン認証は、いわば組織プロフィールの内容を通して経営の課題正しく認識していることに関して認証するものである。埼玉県経営品質賞のアイデアに端を発し、JHQCでプロフィール認証として進んできたものを全国で実施するものである。ちなみに私は 埼玉県でもJHQCでもその企画・設計に関わってきている。
 組織プロフィール認証を準備していた医療関係者にとって、経営デザイン認証への移行は準備の面で特に問題もない。ただ、医療関係者ではない人にもわかりやすく記述しなければならないという面倒が増える可能性はある。
 マルコムボルドリッジ国家品質賞と日本経営品質賞は、同根であるが、若干内容が違う。その一つが組織プロフィールで求める内容である。日本経営品質賞では、日本の組織の戦略性の弱さを強化することも狙って、組織プロフィールを記述することで戦略課題を明確にすることを狙っている。従って、その意図は経営デザインでも変わらない。むしろ強化されているかもしれない。
 また、経営デザインでは、その指導方法も標準化を意識し、アウトプットも更に具体的なフォーマットに沿って提出できるようになっている。例えば、理想の姿を明らかにするために、経営品質が重視している4つの視点で理想の姿を明確にした上で、いつまでに何を達成したいのかというビジョンや目標を設定するようになっていることである。このあたりに曖昧さをなくすようにしている。ただし、わかりやすさは単純さを伴い、思考のレベルを深くすることには向いていない。
 例えば、どちらかというとビジョン、目標、戦略、という流れを大事にし戦略課題を明確にしている。そのため、自分たちの大事にする価値観・行動規範の扱いがおろそかになる可能性がある。JHQCの導入ゼミでの指導では、そこを補い説明している。
 変革は、価値を明らかにするだけではなく、それを実現すべく、心のありよう、意識のありようの変革が重要である。リーダーシップはそこに連なっていなければ変革ができない。
 また、現状を冷静にみることができるかどうかがポイントになる。競争環境の中で強みと弱みを明確にすることで、顧客に対して価値を提供できていること、できていないことを明らかにする。事実と理想をみることによって、初めて課題が具体化される。導入ゼミでは、価値分析を他組織と比較することを指導しているが、これは結構重要な検討ポイントである。
 このように経営デザイン認証は、そのフォーマットにまとめるのはそう難しいことではないが、そのプロセスを通じて、経営課題を明らかにし、共有し、経営の意味を理解するには、できれば外部の指導を受けて行った方が価値があると言える。






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