日本版医療MB賞研究会 1月例会に参加して

 今回は、株式会社日本スウェーデン福祉研究所 取締役のグスタフ・ストランデルさんの「いかにすれば、働く職員が負担感を感じずに愛情を持って患者と接することができるか」という長いタイトルでの講演でした。総括すると「スウェーデンが出来たことを良く勉強し、自分たちの常識や発想の誤りに早く気づけ」とエールを送られたような気がします。
 彼の言葉で印象に残ったのは、
「誰も低福祉は望まない、高福祉をいかに実現するかを考えるべきである」
「福祉を取るか、経済を取るかではない。高福祉で経済を伸ばすことを考えなければならない。スウェーデンはそれを実現した。言い訳はできない。支援を受けなければならない人が、税金を払えるようにしていくことでそれは実現できる。介護度を上げないような投資は介護度が上がることで増大するコストを低下させることができる。」
「介護や医療で重要なことは、自分が慣れている好きな環境・生活に置くことである。」
「適切な環境・ケアが出来れば、認知症の中核症状は治らないが、周辺症状は治る。80歳代の夫婦は奥様が認知症でも普通に生活し、暗さがない」

多くの介護や医療では、慣れていない好きになれない環境におくことで問題を悪化させているのではないかと気づかされました。介護道具を支給し、家族と専門家のチームによるサポートのできる環境を整えれば、家庭という最も慣れている環境で生活をすることは不可能ではないこと。そして、そうした社会を実現するために費用はかかるが、それをコストとして考えるのではなく、投資として考えるという発想のように受け止めました。介護を受ける人が同じ教育を受け働く環境を準備すれば、労働力不足による経済停滞を懸念する日本としても良い対策となることでしょう。また福祉を支えた女性が、全てを引き受けることなく、社会の労働力として更に能力を発揮することで十分リターンは得られるはすです。
スウェーデンは、一人ひとりが夢を持ち能力を発揮することを支えることのできる社会を目指し、精神的・身体的・社会的・生存的な側面を理解し対応することで実現しようとしています。
 高齢化社会をこれまでに無い時間で迎えなければならない私たちは、素早くスイッチを切り替え、少子高齢化での明るい社会を実現するために必要なこと何かを考え、お金を投資していくように考えていかなければなりません。
 彼のメッセージはそれだけではありませんでしたが、多くの気づきをいただきました。グスタフさんありがとう。

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