患者講師

昨日、東京大学公共政策大学院H-PAC(医療政策実践コミュニティ
Health Policy Action Community)の市民リテラシーグループ
主催のシンポジウム「育み、生かす「患者講師」」に参加した。

彼らは、今後NPOを発足させ、患者講師を育成し、データベースを
構築し、必要なニーズに適切な講師を派遣し、患者が語ることで
医療従事者の意識を変え、同時に語る人の自立に役立とうとして
いるようだ。

脳卒中、がん、HIVで患者講師として活躍している3名の話を
聞きながら、可能性と課題について検討された。

特に全国脳卒中者友の会連合会の石川敏一理事長の話は感銘を
受けた。病気という体験を前向きにとらえ、元に戻ることを目指す
のではなく、病気になったからこそ得られた体験や環境を大事に
して生きていくことの大切さを語られ、心動くものがあった。

ただし、議論が深まったかというよりも、各患者講師の話を聞いた
というほうが実情。メンバーの発言は目的よりも手段を重視した
発言で残念。製薬会社へのデータベースからの紹介は、サービスを
維持するための収入源としては意味があるが、それもできます、
といったサービスの1メニューとして語ると違和感が残る。

目的は、医療従事者がさまざまな病気の患者の話を聞く回数を
増やすことで医療のあり方を変えることに集中したほうがいいと
感じた。彼らの思いもそこにあるはず。しかし、手段から可能性を
広げて検討し、目的が混乱して受け止められた印象。
彼らの存在価値は、データベースがあることではなく、
医療従事者の教育に組み込むことを粘り強く要請することではないか
と思う。そして、そのためにはどのような講師養成が必要かを
考えることかと思う。

もし、そういう趣旨に絞ることができるのであれば
HSPというH-PACの先輩プロジェクトのメンバーとしても
応援していきたいと思う。

いずれにせよ、3月にはインターネットで情報提供を始める
ようである。興味のある方は3月中旬以降
http://www.kan-i.net/npoにアクセスされることをお勧めします。

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