浦和レッズから組織改革を考えてみる

 浦和レッズは今年、3か年計画の3年目を迎える。

2年目にあたる昨年から、新たな戦力を積極的に迎え入れ、今年は、経験豊富なベテランやスキルが高まらない若手との契約を見送り、13名もの新しいメンバーを迎えている。

昨年から監督を変え、3か年計画のコアであるチームのスタイルを変え、それに合わせた選手に入れ替えている。チームのスタイルのベースはヨーロッパの先端のスタイルを参考にしている。そうしたスタイルを取り入れているチームがJリーグで強豪になっていること。そこで活躍した選手がヨーロッパでも活躍できることで優秀な選手がそうしたチームに入っていることなどが、Jリーグの流れになっており、それを見据えた改革である。

これは、日本の企業がグローバルで勝ち抜くために、グローバルのマネジメントのやり方を学ぶことに似ている。ヨーロッパでのポジショナルサッカーをベースにした速くて強い個人がチームで守り、攻める。企業も、同じように、基本となるプロセスや人事制度をベースに速くて強い個人がチームで成果を上げていく時代。

最近ではジョブ型の人事制度を採用する企業が増えているが、それはベースでしかない。そのやり方を楽々活用しながら、強い個人がチームで成果を上げるために何をすればいいのか、ネクストステップこそがカギである。

浦和レッズでは、多くのベテランがおしまれつつチームを去った。なぜ試合で使わないのか、いぶかしくおもう選手もいたが、富士フィルムスーパーカップで披露された浦和レッズのスタイルを見ると、なるほどそうなのか、と思うことがあった。

多くのベテランは、この新しい戦術の理解とそれを体現するスキルが足りていないのだ。だから、まだ能力がありこれまでのやり方であれば貢献できる選手も使わないのだ。一方で、同じベテランでも理解とスキルがある選手は外部からとってきている。

企業も、能力の有無でベテランを残すのではなく、新たな戦術への理解とスキルを基に活用を考えていかなければならない。能力があれば、他で活躍できる。だから早めにそれを知らせる。あるいは、どこか別のところで理解とスキルを身に着け、戻ってもらう。こういう形で組織を変えていくことも必要な時代になっている。

そういう面でサッカーにはJ2やJ3がある。そこでスキルを高め、またJ1に戻る道をベテランであろうと、準備する必要がある。同時に、企業でも違う企業で知識やスキルを高め、再チャレンジできるようになることも必要なことだと思う。



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