HSP 5期 講義に参加して

HSPからの案内で、5期の「医療の質の情報」に関する講義に参加してきました。

講師は埴岡健一さん。今は、HSPのスタッフとしてだけではなく、日本医療政策機構にいるようです。

内容は、医療の質の視点は3つある。

1.医療過誤
2.医療不良
3.医療の質の向上

アメリカでは、
・医療過誤をどの程度少なくすれば、どのくらいの人の命が助かる
・本来やるべきことをやっていないケースが45%くらいある。やるべきことをやらないのは製造業でいう不良と同じ。不良を少なくしたら、どのくらいの人の命が助かる
・医療の質が低いところが、平均ぐらいになると、何人の命が助かる
 (医療の質の高い病院にうつれば、何人助かる)
といった、数字を出し、国家的に、その対策を打っています。

医療の質においては、アウトカム指標やプロセス指標を疾病毎に定義し、その成績を病院間で比べられるようにデータが公表されています。更にその水準に応じて、高い病院には診療報酬にボーナスがでます。継続的に低い病院には報酬のペナルティがつきます。これをペイ・フォー・パフォーマンス(P4P)というそうです。

質に関する話は、イギリスでは医療費を増額する際に、質を求める形で導入しています。

さて、では日本はどうか、というのが埴岡さんのポイントなのですが、
遅ればせながら、始まっているものもあります。

1.医療過誤をなくす取り組み
2.標準化の取り組み(HSP4期の方が「がん」センターに来た患者の来る前の治療について調べると
  適切とはいえない治療をしている比率が45%だということのようですが、、、、)
3.データ収集、公開の取り組み
  ・周産期、脳外科などの学会でのデータ収集、改善、公表の取り組み
  ・大阪、富山などでの県レベルでの質データの公開の取り組み(昔は都病院でも実施していた?)
4.リハビリ領域で一部P4P的な質による診療報酬が開始
5.DPCによるデータ収集・蓄積の可能性


埴岡さんのメッセージは

・一から指標を作成するより、アメリカ・イギリスなど試行錯誤の中である程度確立された指標を
 活用して一気に進めるべき
・日本は国民皆保険なので一気に進める可能性はある

ということです。

ぜひ、その点を理解し、
病院のそれぞれの疾病ごとの医療の質を基に、市民が病院を選び、
病院が切磋琢磨し、医療の不良撲滅、質の向上によって
本当の意味での安心・安全な社会作りをしていきたいな、と思っています。
そしてそれが日本の医療の国際競争力につながり、
外貨の稼げる産業に育って欲しいと思います。





 

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