JHQC 6月研究会

JHQC6月研究会は、鹿児島県の昭南病院の朝戸院長の講演でした。

講演を通じて、院長の本音でのコミュニケーションによるリーダーシップが
病院を再建のカギであったことがわかりました。

再建の最初の山場は看護師の給与体系の整備でした。
院長いわく、0.5人前しか働いていない人と2人前働いている人がいたが、
給与は採用時の交渉で決まるようなばらばらな状況だったそうです。

院長としては、30代の知識も経験も労働の質も高い看護師に
その仕事に見合った給与を、
そして、質や量が見劣りするベテラン看護師にも、それに見合った
給与を提示したいと考えたわけです。計算上数万円月給が下がる人が出ます。

提示してみると20人の看護師が辞めたいとの話。
更には80以上の質問が院長に出されました。
院長は、看護師を一同に集め、それに本音で一つひとつ回答していきました。
看護師の中には、個人的には賛成でも
ベテラン看護師の手前、賛成できない人もいたようです。
病棟を一つ閉鎖することも覚悟されたようですが、院長の誠意が通じて
9名が辞めるにとどまり、新しい給与体系に
することができました。

医師に対しても
給与に見合った働きがない場合は、本音で話し合い、改善してもらいました。

院長のリーダーシップを支ええる人たちもいます。
理事会に参加している民間企業の経営者や各種の専門家のアドバイス。
それと、院長の想いを咀嚼し、
民間でのノウハウを積極的に導入する事務長。
そうした改革推進チームが出来上がり、病院の経営がよくなっていったようです。

院長就任に際し、理事会には利益が出たら、
4割は職員に配分するという約束を取り付け、
利益が出ると、一律配布をして、
「本当にこんな日が来たのですね」と職員に声を掛けられ、
感激している院長。

考えをぶれなく、
そして本音で職員と対話することで、
革新をした院長のリーダーシップに学ぶことは多いと思います。

昭南病院はクオリティクラスAクラス認証の病院ですが、もっともっとよくなって、
Sクラス認証を受ける日と楽しみに待っていたいと思います。

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