第二回日本版医療MB賞研究会

第二回の日本版医療MB賞研究会が10月26日(金)に開催されました。今回のゲスト講師は2006年度に日本経営品質賞を中小部門で受賞した福井キヤノン事務機株式会社の玉木洋社長です。玉木さんは、経営品質の仲間でもあり、福井県経営品質賞のサポートをさせていただいたこともあり、懇意にしていただいています。
既に福井キヤノンさんの話は何度か聞いているのですが、今回も新たな気づきがありました。一つは、望ましい姿を一言「明るく、楽しく、役に立つ」という言葉で示されていることです。その「明るく」の意味が非常に重要で、「明確である」という意味だそうです。つまり、目的や方向性が明確になっていないと、組織や社員は「明るく、楽しく」行動できないという意味です。また「楽しく」も人から言われたことをやるのは「楽しく」ないので、自分で考え行動し、自分も相手も「楽しく」なるようになろうという意味で使っているのだそうです。そうして「役立ち」、役立つことで収益をあげようという考え方だそうです。
 また、「革新者は、日陰者の中にいる」という話も面白かったです。福井キヤノンさんは事務機を販売し、保守サービスを行う会社です。営業さんはお客を取ってくる仕事ですから、花形です。サービスマンは、どちらかというと日があたりません。しかし、福井キヤノンさんでは、そこに革新者がいたということだそうです。考えてみると、営業は花形ですが、現在の数字に責任を持たなければならず、会社を長期的に考える時間がありません。一方で、サービスマンはプロセスがしっかりしているので、プロセスをどう改善していくのかという視点で仕事をしていますし、その延長線上でこの会社をどうすべきかといったことを考え、実行しやすい環境にあります。
 医療の世界でも医師は現在の患者に少しでも良い治療を提供することに専念しており、将来の病院のあり方を真剣に考える時間がないでしょう。もう少し仕事を標準化できる現場スタッフが革新の担い手になっていくことが必要なのかもしれません。また、そうした革新者は、営業や医師の現場でのサポートが出来ますので、比較的革新に向けての取り組みに協力を得られやすいかもしれません。
 多くの気づきを得られた良い一日となりました。

コメント

人気の投稿