HSP 3期 やわらか勉強会(第二回,)

 第二回は、HSP3期の仲間から、精神医学の保坂先生をおよびしてストレスとうつについてのお話を伺いました。人はストレスに耐えられなくなると体か心に障害が発生します。体に発生する障害には、内分泌系、自律神経系、免疫系などの障害、つまり心身症が発生するそうです。内分泌系ではストレスによって特定のホルモンの分泌が増えたり、減ったりすることで胃十二指腸潰瘍、高血圧、糖尿病などになります。自律神経系は、副交感神経のモードが減り、交感神経の時間が続くことで、高血圧、くも膜下出血、虚血性疾患、偏頭痛などになることです。副交感神経のモードにするには、有酸素運動やリラクゼーションが必要だそうです。
 またストレスにより免疫力が低下し、風邪を引きやすくなり、感染症やがんになりやすくなるようです。また、特定の物質に過剰適応する、アトピー性皮膚炎、アレルギー、不妊症などもストレスによるものがあるそうです。心のほうでは不眠症、アルコール依存、うつ病などが上げられます。不眠症の場合は、睡眠薬ではなく、睡眠導入剤を使うと良いそうです。
 今日の話のポイントの一つは、ストレスからうつへの段階のお話です。ストレス状態の客観的指標として、①過剰適応、②神経過敏、③無関心、④ひきこもり、⑤抑うつ、⑥行動化という段階があるようです。普通の人は神経過敏の段階でストレスを発散させて抑止したり、無関心との間をいったりきたりする中で、ストレスの原因を取り除かれることでその先には進まない場合が多いそうです。
 しかし、無関心の段階で、周りの人、例えば家族や組織であれば上司や同僚が気づき、何らかの対策を講じられず、ストレスの原因が除去されないとその先の段階に行ってしまうそうです。⑤になった場合は、病気として治療をする必要があります。そして、治療されず、⑥の段階に行くと、その中の何割かが「自殺」を企ててしまうそうです。保坂先生のメッセージは、うつになる前の段階で捕まえること、うつになったら治療を受けること、自殺しないように訴えかけることをもっと体系的にやっていかなければならないということでした。
 自殺は、15歳から54歳の労働力人口で5歳きざみで分析すると、年齢別の死因の1位か2位にあがっており、もっと国として検討すべきではないでしょうか。
 抑うつは「相手がいて私がいるという考えを持つようないわゆる、いい人」や「完璧を目指し、最後までやり通すまじめな人」がなりやすいようで、特に、いい人は、何かを失う喪失体験、まじめな人は心身への加重がきっかけで発症するそうです。ですから、自分や周りの精神状態、ストレス状態を意識し、そのうつの進むプロセスに気づき、それに応じた対策を検討できる社会になることが重要だとおっしゃっていました。また現状では一般医ではうつと診断できる能力のある人が少ないので、診断のできる医師を増やし、治療できる体制を整備することも重要であるとおっしゃていました。
 最後にストレスを減らしたり、ストレスの許容量を増やすことは難しいけれども、いろいろな種類の発散チャネルを増やしてストレスをためない工夫が必要であるとおっしゃていました。そうした精神的な部分でのリテラシーを我々自身高めていくことが重要なのだと教えていただきました。
 

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