組織プロフィールでの経営資源の位置づけ

経営品質の組織プロフィールから重要成功要因を抽出する際に、
少し検討が不十分ではないか、と思うことがあります。

それは経営資源認識の問題です。
今年の経営品質向上プログラムの認定アセッサーの更新研修では、
経営資源認識の説明に際して、
「顧客価値の源泉、差別化の要因となりうる経営資源は何か」
をその理由と共に明らかにすることの重要性を説明しました。

しかしながら、どうしても社内資産に目が向いてしまう傾向が
あります。

ダイヤモンド・ハーヴァード・ビジネス・レヴュー11月号の
論文「最適な経営資源の獲得方法」で、INSEAD教授のローレンス・キャプロンと
デューク大学教授のウィル・ミッチェルが経営資源についての
調査結果を明らかにしています。

それによると
1.通信事業者162社を対象にした10年間の世界規模での
  調査では、利用可能な手段を全て活用しているのは全体の
  1/3にとどまる
2.複数の手法を通じて新たな経営資源を取得した企業の5年後
  の存続率は主として提携だけに頼っている企業を46%上回り
  M&Aだけでは26%,社内開発に固執した企業に対して12%
  上回っている
3.経営資源の獲得のあらゆる選択肢を検討し、戦略を策定した
  場合は失敗率20%、そうでない場合は54%となっています。

上記のように多様な経営資源の獲得の可能性を検討することが
どうも戦略の検討には非常に重要なことのようです。

ここでの経営資源は、社内、ライセンス契約、アライアンス、M&Aといった
獲得方法を指しています。

重要成功要因を検討する際に
それはどのような経営資源の投入で実現できるのだろうか、という
部分を押さえていくことも必要です。

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