スウェーデンの医療(JHQC研究会)

スウェーデンの医療は、高負担、高福祉で知られ、
高齢化も早くから進んでおり、
これからの日本の医療や福祉のあり方として参考になると
民主党や厚生労働省がイギリスとともに
しきりと研究しているそうである。

しかし、その高福祉の意味合いは、
真の意味で伝わっていないという面もあるようだ。

スウェーデンでは、
医者にかかりたいと思うと、
ます、地域医療センターに電話で問い合わせをするそうだ。
そこで、医師または地域看護師が判断し、
必要であれば病院に予約が入る。予約も2~3日かかるのが通常だそうだ。
もちろん、当日行くこともあるが2~3時間待たされる。

病院に行く必要がない場合は、OTCなどで済ませるような習慣が
根付いているが、日本のようにフリーアクセスであったり、
医療の質が高い病院を選ぶことはできない。
エーデル改革以来、急性期の病床数はOECDでも最低とのこと。

医療費は行政が決め、県が医療の担当になっている。

しかし、選択の自由を重視する団塊の世代が主体となり、
その影響もあってか、社会民主労働党が政権から降りた。
今では、民営のクリニックが出てきている。
こちらは自由に往診してくれるが、行政が決めた値段の部分は
保険から、それ以外にエクストラで個人に請求される。
彼らの差別化ポイントは利便性などのサービスである。

最近ではヨーロッパで展開している規模の比較的大きい
病院チェーンも参入しているそうだ。

市は介護の担当。
エーデル改革で、施設と呼ぶのではなく家と呼ぼうとのことで
ナーシングホームも住宅としての賃貸契約方式になっている。
そのため、家具も全て持ち込みとなり、自分の家のような
感じで最後を迎えることができる。
多くの人が病院ではなく、自宅やこうした介護をする家でなくなっている
ことは、とても豊かさを感じさせる。

介護にあたる人は多くが準看護師のようなスキル。
生活の全てがリハビリなので、スタッフは補助器具をそろえたり、
リハビリの計画を考えたりというのが大事なので、
作業療法士が結構、主力になっているようだ。

もちろん補助器具が充実しており、
また重度に応じて、センサーを取り付けたりといったシステムができあがりm、
自立して生活できるような環境が整備されている。
障害者も自立する責任があるといったことが
小さいころから教えられているとのこと。

ベッドが一番安全からベッドが一番危険に。
寝たきりが少なく、重度の病気の人も麻薬の使い方がうまいのか、
普通の暮らしをしている。

ナーシングホームは月60~70万円。
基本的には公費。しかし、審査がある。
平均半年ぐらいでなくなるそうだ。
ここでも自費で入居希望者が入れる余地はあるそうだ。

医療よりも福祉が充実しているといった印象を持った。
そして、医療器具や家具が産業化しているところが
素晴らしいと思った。

多摩大学真野教授、山田シニアフェローからお話しをいただき
とても勉強になりました。

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