リーダーシップに求められる4つの能力

 MITのIMPプログラムの第一週の3日を使ってリーダーシップに関する研修がありました。
担当教授は、Deborah G.Ancona教授とJohn Van Maanen教授です。Ancona教授はMITのスローン教授だけでなく、リーダーシップセンターのディレクターでもあります。Xチーム」という本の著者として有名で(共著)、その内容はハーバードビジネスデビューのPODキャストの8月2日号でもインタビューに答えています。Maanen教授は、MIスローンの教授で組織学習の専門家です。神戸大学の金井先生を指導したことを懐かしそうに語っていました。

 さて二人の解説によると、

 リーダーシップにおいて重要なことは、完全なリーダーを望まないということだそうです。完全なリーダーなどいないのだから、リーダーとして完全になろうなどと考えてはならないといわれました。
ただし、自分はどういった能力が高く、どういった能力が欠けているのかを理解することは非常に重要なことです。お二人は、リーダーシップには主に4つの能力が求められると説明してくれました。

その第一が「センスメイキング」です。

 様々な情報源に基づいて、現状を正しく理解する能力のことです。果たしてリーダーは、自分たちがマネジメントする対象を内側から、外側から正しく見ているのでしょうか。日本には現場百回、現地現物などという言葉がありますが、これはまさにセンスメイキングを意味していると思われます。彼らの説明では、現状認識を地図にするという言い方をしていました。日本でいうと現状の背景と文脈を理解して見える化することに近いのではないでしょうか。

 特に時代というのは、リニアに変化しているように見えて、断層のように変化していくものであるそうです。断層の変わるクリティカルポイントを発見することがセンスメイキングの特徴なのでしょう。例えば、インテルのアンドリューグローブは、DRAM依存の事業構造からの大きな変化を見抜き、DRAM事業から撤退し、マイクロコンピュータ事業に特化したという事例を紹介されました。

 シティバンクのジョンリードは、とにかく、質問をし、インタビューをなるべくたくさん行ったそうです。例えば、新たな職場にいくと、たくさんの質問をし、時間をかけてセンスメイキングを行った。その上で、マネジメントをしていったのです。

 次回は、第二の能力、リレイティングをご紹介します。

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